マンションの建て替え

1.建て替えの決議

老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、建物の建て替えが必要となった場合は、集会において、区分所有者及び議決権の各5分の4以上が賛成したときは、建物を取り壊しかつ建物の敷地に新たに建物を建築する旨の決議をすることができます(区分所有法62条1項)。

建物の建て替えは、居住している区分所有者に重大な影響を及ぼすため、決議に必要な賛成の条件が厳格になっています。このことから、この条件について、規約やその他の合意によって緩和すること(例えば、「5分の4」を「4分の3」や「3分の2」にする行為)は許されないと考えられています。

なお、建物を単に取り壊すだけで新たな建物を建築しない場合は、本条の適用がないと考えられますので、区分所有者全員の合意が必要となります。

2.建て替え決議の効果

建て替え決議が行われたときは、反対した区分所有者に売渡請求権が発生し(区分所有法63条)、建て替え決議に賛成した区分所有者間に合意が形成されます(同64条)。これは、区分所有者内部の関係ですので、その他の(1)専有部分の賃借人、(2)敷地の賃貸人、(3)専有部分上の抵当権者については、別個に考える必要があります。

(1)専有部分の賃借人

専有部分の賃貸人との関係では、建て替え決議があったことが賃貸借の更新拒絶や解約申入れの正当事由に際して考慮されます(借地借家法28条)。

(2)敷地の賃貸人

敷地の賃貸人との関係では、借地権の法定更新が問題になります。平成4年7月31日以前に賃貸借を開始した敷地の場合、賃貸人が遅滞なく異議を述べないときは、借地権が取り壊しの日から30年存続します(旧借地法7条)。平成4年8月1日以降に賃貸借を開始した敷地の場合、建物の建て替えについて賃貸人の承諾があれば、承諾のあった日または建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続します(借地借家法7条)。

(3)専有部分上の抵当権者

抵当権は、物に付随する権利なので、その物自体がなくなれば抵当権もなくなる関係にあります。そのため、通常であれば、建物を壊した段階で抵当権自体はなくなります。しかし、マンションの建替えの場合は、マンションを建て替えた後に各区分所有者が取得する専有部分があるので、抵当権は新たな専有部分に存続します(マンションの建替えの円滑化等に関する法律73条)。

3.決議に反対した区分所有者に対する売渡請求権

決議に賛成した区分所有者は、決議に反対した区分所有者に対し、決議への賛否を考え直す機会を与えます(区分所有法63条1項)。この期間は、反対者に通知した日から2か月間です(同条2項)。この通知に対して、もう一度建て替えに反対したときはもちろんですが、何も返事をしなかったときは、建て替えに参加しないことを回答したものとして扱われます(同条3項)。

このような手続のあと、賛成者は反対者に対して、区分所有権と敷地使用権を時価で売り渡すように請求することができます(同条4項)。実際には、賛成者全員の同意によって、買受指定者と呼ばれる第三者が売渡の請求をすることが多いようです。この買受指定者には、一般的に建て替え事業に参加するデベロッパーが選ばれています。

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